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なかなか治らないおねしょ…。要因と対処法を徹底解説!

 

睡眠時遺尿症(夜尿症)とは?

 

睡眠時随伴症(パラソムニア)の一つで、いわゆる「おねしょ」のことです。本人が意図しないのに排尿を起こす(尿を漏らす)ことを遺尿(いにょう)といい、そのうち夜間に起こるものを夜尿と言います。「夜尿症診療ガイドライン2016」では、国際小児尿禁制学会が2014年に定義した「5歳以降で、1ヶ月に1回以上の夜尿が3ヶ月以上続くもの」で、「1週間に4日以上の夜尿を頻回、3日以下の夜尿を非頻回」を採用しています。国内における調査では、夜尿症の有病率は、就学直前の5〜6歳で約20%、小学校低学年で約10%、10歳を超えて5%前後、中学生で1~3%で、成人になっても夜尿症が継続するケースも稀に存在すると報告されています。

 

 

夜尿症の原因

 

夜尿は乳幼児から継続している一次性夜尿と、一旦遺尿がなくなった(半年以上夜尿が消失)にもかかわらず再発した二次性夜尿があります。割合として、一次性夜尿が75~90%と高く、二次性夜尿が10~25%と考えられています。治療上、この割合の低い二次性夜尿が重要で、その理由として生活上より多くのストレスを抱えていたり精神疾患の併存率が高いためです。

これら二つでは原因が異なるため、分けてご紹介します。
 

1. 一次性夜尿

 

 

一次性夜尿の主な原因としては、三大要因の①夜間多尿、②排尿筋過活動、③覚醒閾値の上昇、補助的な要因の④発達の遅れや遺伝的素因などが挙げられます。

夜間多尿では、睡眠中に分泌される抗利尿ホルモンの量が少ないことが指摘されています。また、夜間尿中のカルシウム量増加や引水過剰やたんぱく質・塩分の摂取過多の影響も指摘されています。

排尿筋過活動では、睡眠中に排尿筋の収縮が起こった際、本来亢進すべき骨盤底筋の活動が亢進されないことが指摘されています。また、単一症候性夜尿の小児では排尿筋の抑制を行う概日リズムに欠陥があると報告されています。

覚醒閾値の上昇では、起こしても覚醒しにくく、覚醒のシステムの発達が遅れており、膀胱からの刺激が入っても覚醒しにくいことが考えられています。

発達の遅れでは、中枢神経の発達とともに改善させると考えられています。また、遺伝的素因では、両親のどちらかに夜尿症があった場合に5〜7倍、両親ともに夜尿症がある場合に11倍夜尿になりやすいとの報告があります。そのほか、家庭で放置され、しつけを受けなかったために起こる夜尿症や、逆にしつけが厳しすぎる場合に無意識の反抗として起こる夜尿もあると言われています。

 

2. 二次性夜尿

 

 

二次性夜尿の原因としては、精神的・環境的要因が大きいとされており、最も多いのが弟もしくは妹が生まれた際に、両親の関心を自分に戻そうとするために出現します。また、両親の離婚などによるストレスや精神疾患なども原因として挙げられます。

また、夜尿症をきたす可能性のある疾患もあります。例えば、神経性多飲症や尿崩症、糖尿病は夜間尿量を増やすため夜尿症へとつながる可能性があります。

 

治療法

 

 

夜尿症の治療は、生活指導、行動療法、アラーム療法、薬物治療があります。まずは生活指導や行動療法を行い、それでも効果が上がらない場合にアラーム療法や薬物療法を検討します。

生活指導としては、夕食での塩分制限や夕食後の飲水量制限、就寝前の完全排尿、排尿習慣のコントロールなどが行われます。行動療法では、夜尿がなかった日にご褒美をあげたり水分摂取制限などが行われます。

 

 

これらの生活指導や行動療法で効果が上がらない場合、より積極的な治療が必要とされ、アラーム療法もしくはデスモプレシン治療が行われます。

アラーム療法は、夜尿が起きるとアラームが作動する仕組みを用いて、膀胱の充満とアラームの関連性を学習させる方法です。当初は夜尿が続くものの、次第に夜尿が起きる前に目がさめるようになります。特に、週3回以上夜尿が見られる場合で、本人及び家族のモチベーションが高い場合に有効な治療法とされています。

デスモプレシンは抗利尿ホルモンと同様の働きをする薬剤で、これを投与するのがデスモプレシン治療です。アラーム療法で効果が上がらなかった場合や、アラーム療法に消極的な家族で行われています。

 

参考:夜尿症診療ガイドライン2016、日本夜尿症学会

https://minds.jcqhc.or.jp/docs/minds/nocturnal-enuresis/nocturnal-enuresis.pdf

(Writer: Sleepedia編集部)

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