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睡眠とカフェインはどう関係する?カフェイン摂取の門限とは?

  • 2020.8.1.

  • 2020.8.1

 

睡眠とカフェインが密接な関係にあることを知っている方は多いと思います。

 

その効果を利用して朝にコーヒーを飲んで眠気を取り除いたり、寝る前は、コーヒーを控え、温かいハーブティーなどを飲んでリラックスされている方も多いのではないでしょうか。

 

しかし、睡眠に対するカフェインの影響を知らず、毎日寝る前にコーヒーを飲み、慢性的な寝不足や、不眠症に悩まされている方も多いと言われています。

 

そんな悩みを解消するためにも、カフェインが身体にどのような影響を及ぼすかを知っていただくのが一番です。

 

今回は各飲み物のカフェイン含有量や就寝前のおすすめの飲み物なども併せてご紹介します。

 

これを機会にカフェインと睡眠の関係性を知り、良質な睡眠習慣を作りましょう!

1.睡眠前にカフェインを摂取するとなぜ眠れない?

入眠前にカフェインを含むお茶やコーヒーを摂取すると脳が覚醒し、寝つきが悪くなり、睡眠時間が短くなると、翌日の目覚めにも影響があることはよく知られています。

 

夜にお茶やコーヒーを摂取することは不眠や寝不足の原因になりかねません。この眠気を阻害するメカニズムは興奮作用を引き起こすカフェインと睡眠物質であるアデノシンの関係が大きく影響しています。

 

通常アデノシンは覚醒物質であるヒスタミンを抑制し睡眠欲求を高めるもの。

 

しかし、視床下部の腹外側視索前野におけるアデノシン受容体をカフェインが阻害するため、覚醒物質であるヒスタミンが放出されやすくなり、脳が覚醒し寝つきが悪くなるのです。

 

睡眠を促すアデノシンは店を早く閉めたいオーナーで、寝る前のカフェインは閉店間際の面倒なお客さんです。

 

閉店準備は出来ているけどお客さんがいるから閉めることができないというわけですね。

1-1.カフェインを摂取すると覚醒効果が現れる

コーヒーの飲み過ぎや栄養ドリンクの過剰摂取で、カフェイン中毒になったという話を聞き、カフェインにネガティブな印象を持っている方も多いのではないでしょうか。

 

カフェインの効果・効能は人によって異なりますが、良い意味で脳の活動を活性化させたり、仮眠後に仕事のパフォーマンスを上げてくれる心強い味方でもあります。

 

これは、カフェインが眠気を抑制する強い覚醒効果を持っているからです。

「朝の目覚めに1杯コーヒーを 」とコーヒーを飲んで眠気を飛ばす習慣をもっている方も多いのではないでしょうか。これはまさしく覚醒効果の一つです。

 

コーヒーを飲むことを上手く日常に取り入れると多くの効果を与えてくれます。特に覚醒作用を利用することで、注意力や集中力を高めるなど仕事に役立ちます。

 

その他の効果では、代謝や血行を促進することでダイエットや運動能力の向上により老廃物の排出作用業や新陳代謝が上がるなど様々ですです!

 

日々の健康な体作りのパートナーとしても力を発揮してくれるので、これを機会にカフェインを体の味方にしましょう。

1-2.実際にカフェインが睡眠にどう影響するのか

寝る前にコーヒーを飲むと眠れなくなるのは本当なのか?

 

仕事を終えてホッと一息しながらマグカップ1杯のコーヒーを飲むと睡眠に悪影響を与えるのかどうかを見つけるために、寝る前のカフェイン摂取を調べた実験があります。※1

 

実際にデトロイトのヘンリーフォード病院で複数の被験者を対象に行われた実験では、3つの異なるタイミング(寝る直前、寝る3時間前、寝る6時間前)でカフェインを摂取させたところ、寝つきや睡眠の深さに大きな影響を与えているという結果が現れたそうです。

 

この実験では、400mgという多量のカフェインが投与されていますので、実際の場面とは異なる状況ですが、寝る6時間前のカフェイン摂取でも睡眠に影響があったという結果が出ています。

 

つまり、就寝前にカフェインを含む飲料や食品を取ることは体に少なからずの悪影響を与え、睡眠サイクルが崩れ、寝不足や不眠症を引き起こすということです。

2.絶対に睡眠前にコーヒーを飲んではいけない?

ここまでの内容でコーヒーにはカフェインが入っていて睡眠を阻害する効果があるので、寝る前には絶対に飲まない方が健康に良いと印象を得た方は多いのではないでしょうか。

 

しかし、コーヒーにはリラックス効果や睡眠のパフォーマンスを上げ、朝の目覚めをすっきりさせる効果もあるのです。

 

「いやいや、コーヒーを摂取するとカフェインによる興奮作用があるって言ってるじゃん!」と矛盾しているように思われるかもしれませんが、コーヒーの香りが脳に作用しα(アルファ)波を増やし、リラックス効果が得られることが研究により立証されています。※2

 

では、どうすれば良いのか?

 

それはコーヒーを飲むのではなく、コーヒー豆をベッドルームに置き、香りを楽しむことが良いでしょう。こうすることにより疲労回復効果や筋肉疲労を和らげ、朝の目覚めをよくする効果が得られるのです。

2-1.タイミングによっては目覚めが良くなることも

「短時間の昼寝や仮眠を取る前にお茶や缶コーヒーを1杯飲むと、目覚めがスッキリする」と聞いたことはありませんか?

 

その理由は、カフェインは摂取から約30分後に効果を発揮し、睡眠後の仕事のパフォーマンスに大切な注意力や集中力を向上させてくれるからです。

 

ランチ後に睡魔に襲われて仕事が捗らないときに「15〜20分の仮眠を取ってきたら?」と言われることもあると思います。

 

この時に、カフェインを含む飲料を摂取した後に仮眠を取ることで、寝起きのタイミングに覚醒効果が現れ、だるさや眠気などを取り除くことができます。

 

午後の仕事で集中力を取り戻して生産性を上げるためにも、カフェイン摂取と昼寝を合わせて行ってみてくださいね。

2-2.カフェインを摂るタイミングに注意しよう

どのタイミングでカフェインを含む飲料を摂取するかで、その日のパフォーマンスと睡眠への影響が変わってきます。

 

睡眠で、頭や身体の疲れをどれだけ回復できるかは、深い睡眠を取れるかどうかにかかっていると言っても過言ではないでしょう。

 

深い睡眠をとるためには、寝る前の習慣を意識的に変えることが必要なのです。カフェインの影響力は5〜8時間、完全に体からなくなるのは数日かかると言われることがあります。

 

朝や昼間にコーヒーなどでカフェインを摂ることは、脳を覚醒し、能率を上げるなどの効果があるので、完全なノンカフェイン生活にするよりも、カフェインを摂るタイミングを調節し、上手く利用することが大切ですね。

 

カフェインの半減期は4時間とされているので、最低でも就寝4時間前からコーヒーなどのカフェインを含んだ飲み物を摂取しないことが睡眠の質を上げるために重要です。

 

睡眠時間は人それぞれですが、コーヒーやお茶、チョコレートなど、「カフェインを摂取する時間に門限を設ける」という方法があります。例えば、夕方の6時を門限にして、それまでならコーヒーやお茶、チョコレートなどを摂ってよしとするのです。

 

夕方以降のカフェインをやめるだけで睡眠の質は変わります。

 

「夜中に目覚めることがなくなり不眠症が改善した」など、夜のカフェイン摂取をやめただけで、大きな効果があった方も多いです。

3.カフェインを摂る適切なタイミングと量は?

カフェインの摂取は、体内リズムや日々の生活に大きな影響を与えます。適切なタイミングでどれくらいの量を摂れば、日中のパフォーマンスを上げ、安らかな眠りを取れるかを知ることは大きなアドバンテージです。

 

カフェインには、眠気を醒ます、疲労感をとるなど良い効果があり、コーヒーやお茶のほか、エナジードリンクをはじめとした栄養ドリンクにも多く含まれています。

 

コーヒー1杯のカフェイン量は100~120mg。カフェインの最大摂取量の目安は1日300~400mgと言われています。

 

1日に飲めるコーヒーは2〜3杯程度なので、タイミングとしては朝1杯、昼1杯程度が適切でしょう。

 

過剰摂取によるカフェイン中毒や依存症、胃腸障害などにより体の不調をきたしてしまうことを忘れてはなりません。

 

まずは身体にもたらす影響や弊害を理解した上で適切なタイミングと量をご理解ください。

3-1.夜寝る4時間前は絶対にカフェインを摂らない

カフェインの半減期は約4時間とされ、摂取してから5〜8時間は体内に内在し効果が続くため、8時間前にコーヒーの門限を設定するのが理想です。

 

例えば、夜の22時にいつも寝ている方はコーヒーやエナジードリンクを飲むのを午後2時までとするだけで眠りの質は高まります。

 

しかし、どうしても寝る前にお茶を飲んで身体を温めて眠りつきたい方は、カフェインの入っていないコーヒー(デカフェ)やノンカフェインのハーブティーなどをとると良いでしょう。

 

ノンカフェインのルイボスティーなどもおすすめです。また、年齢や体型などにより感受性が高い方や高齢者のように睡眠が浅くなりがちな方は極力夕方以降のカフェイン摂取は控えましょう。

3-2.カフェインの摂取量は1日400mg以下を目安に

1日あたりのカフェインの目安は1日300~400mgと前述でもお伝えしました。

 

カフェインを含む飲料はコーヒーだけでなく、お茶やレッドブルなどのエナジードリンクで含有量が異なります。最近ではノンカフェイン飲料などもコンビニやスーパーで販売されています。

 

「でも個人差があるし、男女や妊婦、子供では異なる目安があるのでは?」

 

基本的にカフェインの摂取許容量の基準以下なら毎日摂取しても問題ありませんが、男性の目安は400mg、生理に影響を及ぼすこともあり女性は300mgが許容量とされています。※3

・男性:400mg

・女性:300mg

・妊婦:200mg

 

基本的にはマグカップ1杯(150~200ml)のコーヒーには、100〜120mg前後含まれているので、1日あたり1〜2杯が適量です。

 

最近ではカフェインにアレルギー反応を示す方がいることも知られていますので、カフェインを含む飲み物を飲んで、体の不調を感じたらカフェインを摂ることをやめて、体調が良くなるか観察してみましょう。

4.実際に飲み物に含まれているカフェインはどのくらい?

一般的に「カフェイン」と耳にするとコーヒーを想像するかもしれません。

 

実際には烏龍茶、ココアなどをはじめ、緑茶、紅茶、食べ物ならチョコレートにカフェインが含まれます。

 

最近ではカフェイン濃度が強いエナジードリンクが売られる一方、ノンカフェインのお茶などのペットボトル商品なども多くのコンビニなどで販売され、消費者の選択肢も豊富。

 

各飲み物の種類で含有量が異なりますので、実際にどの飲料にどれくらいのカフェインが含まれているかを確認していきましょう。

 

主なカフェイン含有量とおおよそのカフェイン濃度

飲料名:カフェイン濃度:

・コーヒー:60mg/100ml

・インスタントコーヒー:57mg/100ml

・烏龍茶:20mg/100/ml

・紅茶:30mg/100ml

・玉露:160mg/100ml:

・せん茶:20mg/100ml

・エナジードリンク:36~150mg/本
※4

 

身近な飲み物の中でコーヒーが最も多くのカフェインを含んでいますが、エナジードリンクや缶コーヒーは種類によっては含有量が多いものがあるので注意しましょう。

 

最近では「カテキン緑茶や濃い緑茶」などペットボトルのお茶も通常のものから濃い味など種類も豊富です。

 

カフェイン量も表示されているので、コンビニやスーパーで購入する時に、カフェイン量を意識した上で購入するのをおすすめします。

5.睡眠前におすすめの飲みもの

睡眠前にカフェインを多く含むコーヒーなどを飲みことはおすすめできません。

 

しかし、「睡眠前に身体を温めて入眠したいんだけど、睡眠の質を改善できるおすすめの飲み物はないのかな」と知りたい方もいるはずです。

 

入眠前はミルクを温め、ホットミルクにしたり、ノンカフェインのハーブティーやルイボスティーなどがあるので紹介しますね。

 

おすすめのドリンクと効果

・ハーブティー:香りによる癒しと鎮静

・生姜湯:身体を体内から温め、生理痛の鎮静など

・白湯(さゆ):リラックス効果

・ホットミルク:自律神経を整え快眠

・豆乳:美肌効果と疲労回復効果

 

NGドリンクはコーヒーや紅茶、栄養ドリンク。覚醒作用が強いので避けましょう。

 

睡眠1時間前を目安に身体を体内から整えてくれる生姜湯やホットミルクを時間をかけてゆっくり飲むことを心がけましょう。

 

これは、「睡眠儀式」とも言われ、寝る前に暖かい飲み物をゆっくり飲むという、生活習慣が、良い睡眠に導いてくれるのです。

 

さらにスローなストレッチなどをして、身体をほぐして寝ることで筋肉もほぐれ、安眠効果と疲労回復が促進されることも期待できます。

まとめ:カフェインの作用を知って睡眠・覚醒のリズムを作ろう

睡眠とカフェインが密接に関係していることをご理解頂けたでしょうか。

 

日々、普通に飲んでいる目覚めのコーヒーがなぜ良いのかも分かりましたね!

 

夜寝付けない、朝起きるのが辛いといった症状のある方は、入眠前の飲み物の習慣に原因があったのかもしれません。ぜひ見直してみてください。

 

今回のポイント

・カフェインの覚醒効果を仮眠や昼寝で活用できる

・カフェインを摂取する門限を決める(コーヒーは午後62時までなど)

・1日の目安は300~400mgまで(コーヒー2杯まで)

・寝る4時間前は極力摂取しない

・入眠前はホットミルクやルイボスティーを飲む

 

カフェインは適切なタイミングで取ることで仕事に好影響を与えてくれたり、運動やダイエットの手助けとなりメリットも多い成分です。

 

しかし、摂取方法を間違えると健康に大きな影響を与えかねないのがカフェインでもあります。

 

日常で簡単に手にすることできるカフェインの作用を理解して、より良い生活リズムを作って、日々のライフスタイルに好影響を与える睡眠習慣を作ってみてはいかがでしょうか。

 

 

※1 Caffeine Effects on Sleep Taken 0, 3, or 6 Hours before Going to Bed

※2 香りから生まれる、 「癒し」と「集中力」。

※3 【2020年】生理中の食事はなにがいい?生理痛(PMS)対策になる食べ物・飲み物を解説

※4 食品安全委員会

 

 

ライター = 大古琢登
nishio sensei

監修 丸山 崇

医学博士/産業医科大学医学部第1生理学准教授/社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント/産業医ディプロマ

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