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うつ病と不眠症には関係性が!眠れない時はどうしたらいい?

西多 昌規

早稲田大学スポーツ科学学術院・准教授

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東京医科歯科大学助教、自治医科大学講師などを経て、2017年より早稲田大学スポーツ科学学術院・准教授。ハーバード大学医学部、スタンフォード大学医学部にて留学研究歴がある。専門は睡眠医科学、身体運動とメンタルヘルス、アスリートのメンタルケアなど。

うつ病の患者は多くの場合、眠りつくことができない、目覚めの時間が早いなど不眠の症状を訴えます。

不眠はうつ病を悪化させ、睡眠障害が続くとうつ病になる可能性があるのです。

今回は早期に発見できるように、うつ病と不眠症が引き起こす睡眠習慣の変化やそれぞれの関係性などを説明していきますね。

もしもの時のために、この記事でうつ病と不眠症がどう密接に関係しているかを知り、なるべく早い段階で処置が取れるようにそれらの関係性を理解しましょう!

1.うつ病と不眠症はそれぞれどんな病気?

うつ病と不眠症はどちらも精神、肉体的に何かしらの機能障害を引き起こす病気です。

脳の機能が正常に働かず、集中力が低下、疲労感、活量が失われるなどして、普段の生活に支障をきたします。

気持ちが沈んでしまう「うつ病」と、思うように眠りつくことができない「不眠症」について、以下でどのような症状を発症してしまうのかを説明しますね。

1-1.うつ病:気持ちが常に沈んでしまう

うつ病は身体的・精神的なストレスといったなどが要因となり、脳に何らかの問題を引きおこす機能障害です。

これは神経伝達物質であるドーパミン、セロトニンやノルアドレナリンのバランスが崩れ、脳が正常に働かなくなり、常に気分が沈んでいたり何もかも楽しむことができない症状が一定期間発症します。※1

しかし、うつ病は、日常で感じるような一時的な落ち込みなどではありません。

症状は、抑うつ気分、不安・安生といった心の症状だけでなく、睡眠障害、食欲の減退、倦怠感など身体にも影響を与えます。

言葉で表現するのが難しいくらい感情を喪失し、毎日心や身体に何かしらの問題を抱えてしまうのが、うつ病なのです。

1-2.不眠症:思うように眠れない日が続く

不眠症とは睡眠障害のひとつで、快眠を得られない、なかなか寝付くことができず、日中に眠気、倦怠感や意欲の低下などに繋がる心や体の病気です。

その他にも食欲不振、めまい、抑うつしなど多岐にわたる症状は入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒といった3つのタイプに区別されます。

不眠症は、ただ単にぐっすり眠ることができないことではなく、日中に何かしらの不調が出ることが問題です。

長期間にわたり社会生活に不調を及ぼしている、生活の質が著しく低下している場合は、不眠症の可能性があります。

また、薬物や生活リズム、環境の変化などにより、目覚めが悪いケースも見られるので、良質な睡眠を取れていないのであれば、専門医に診察してもらう必要がありますね。

2.うつ病と不眠症にはどんな関係性がある?

うつ病を抱えている方には不眠症に該当する症状が多く見受けられます。

また、十分に睡眠をとることができない生活や精神的に不安やストレスを抱え続けていると、うつ病を悪化させる原因にもなりかねません。

既に眠れない日々が続くことで、うつ病を発症する可能性があることは明らかになりつつあります。

そのため、眠りが浅い、朝早く目覚めてしまうといった不眠症状がある場合は、早期に適切な対処をすることが悪化を防ぐために有効です。

うつ病と不眠症は密接に関係しているため、思うように眠れない日々が続いたり、熟睡感を得られていなかったりするのであれば、早い段階で医療機関に訪れることは効果的でしょう。

2-1.不眠症状がうつ病の再発目安になることもある

睡眠を十分に確保できているにもかかわらず、再度眠れない日々が続いている場合、うつ病の状態を再発している可能性があります。

特に「うつ」とストレスは関連性が強いため、何らかの強いストレスがかかったときには、うつ状態をぶり返しかねません。

特に脳の疲労が限界に達していたり、生活リズムが崩れていると再発してしまいます。

睡眠状態を少し意識するだけで早期発見にもつながりますし、それが再発の目安と考えられるので、一度患った方は再発予防のためにも、定期的に睡眠習慣を確認するようにしてください。※2

2-2.うつ病と不眠症の悪循環に陥る

うつ病には「すぐに眠ることができない」「なかなか寝入れない」などといった睡眠障害が見受けられます。

特に入眠前に翌日の不安などからネガティブ思考に陥ってしまうことも珍しくありません。

また、寝たい時間に眠ることができても、何度も何度も夜中に目覚めてしまい、ぐっすりと眠ることができず疲労が抜けなかったということもあります。

さらに、重度のうつ症状になると生活リズムが乱れ、行動選択の停止など睡眠障害だけでなく、社会生活で必要な能力を一時的に失ってしまう可能性もあるので注意しましょう。

睡眠が取りづらくなっているのであれば、悪循環に陥る前に医療機関に相談することも検討してくださいね。

3.うつ病の原因にもなる不眠症の3つの症状

うつ病の原因となると考えられる不眠症には、3つの症状があるとされています。

睡眠の質が低下していることで、食欲の増進、定期的に体調を崩す、集中力の低下など悩みは尽きません。

さらに重症化すると突然体が動かなくなったり、運転中に眠ったりしてしまうこともあるので、早期に不眠症状を疑い、適切な治療を施すことはとても大切です。

今回は入眠障害、中途覚醒、早期覚醒といった3つの症状を説明していきます。

3-1.入眠障害:なかなか眠りに入れない

入眠障害とは、布団の中に入っても眠りにつくことができない、眠るまで30分〜1時間以上かかり、それが苦痛となっている状態です。

この症状は不眠を訴える方の中でも、特に多い症状とされています。

例えば、23時に布団に入って、眠ったのが午前1〜2時の間や眠ろうとしても眠れないのが特徴です。

いわゆる「寝つきの悪い」状態が定期的に続くのであれば、入眠障害の可能性があります。

3-2.中途覚醒:眠っているのに目が覚める

中途覚醒とは、夜中に目が覚めてしまい、その後再度眠ることができない状態です。

これは加齢に伴い眠りが浅くなりがちな、高齢者に方に多く見受けられます。

この症状は睡眠時無呼吸症候群といった睡眠障害、脳変性疾患、うつ病を抱えている人に出やすいので注意しましょう。

目が覚めてからもう一度眠りにつくことが難しい場合は、中途覚醒の症状を抱えているかもしれません。

3-3.早朝覚醒:予定時間よりも早く目が覚める

早朝覚醒とは、起きたいと考えている起床時間より早く目が覚めてしまう状態です。

「もっと眠りたい」という自分の気持ちとは裏腹に、予想以上に早く目が覚めてしまい、二度寝しようと思っても眠ることが難しいという症状ですね。

早く目覚めてしまったことで、仕事や学業に取り組んでいるときに極度の眠気や疲労感が続き、活力のない日々を過ごします。

もし予定時間より早く目覚めても、普段通りに活動できたのであれば、問題ないと言えるでしょう。

4.うつ病と不眠症の治療は無理しすぎないことも大切

うつ病と不眠症の治療は無理をせず、ゆっくり治療する考え方が大切です。うつ病が回復に向かっている時に重要なことは、最初から100%を目指すことをしないこと。

例えば、何かをやってみて「楽しめた部分はなにか」「気持ちはどうだったか」を自分自身と相談しながら時間を過ごし、徐々に負荷を上げるなどして、調整しながら様々なことに取り組みます。

一歩ずつ進みながら様々な感覚を取り戻し、正常な状態になるためにも無理しないで自分のペースで進んでいくことが近道かもしれません。

まとめ:うつ病と不眠症の関係性は深い

うつ病と不眠症の関係性の深さが分かりましたね。

うつ病の初期症状として、眠れない、朝早く目覚めてしまうような不眠症状が重要なサインです。

最後に今回の記事をまとめておきましょう。

  • うつ病と不眠症は密接に関している
  • 不眠のサインはうつ病の初期症状
  • 不眠症はうつ病を再発させる可能性がある

うつ病と睡眠は密接に関しているため、気分が上がらない、朝から気分が沈んでしまう、夜中に目覚めてしまうなど不眠にまつわる症状を患った場合、うつ病もしくは不眠症が進行しているかもしれません。

もし睡眠の質が低下している、ぐっすり眠れないなどいった症状がある場合は、お近くの医療機関に足を運んで適切な処置をとりましょう。

 

【参考文献】
※1 厚生労働省 不眠症
※2 うつ病と不眠症の相関関係

 

ライター = 大古琢登

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