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この時期つらい花粉症。まずは花粉症の基礎知識を学ぼう

最近、街中では多くの人がマスクを着用しています。主に新型肺炎の予防の為だと思われますが、他にもインフルエンザ・風邪や花粉症対策が含まれるでしょう。

否応無しに毎年訪れる花粉の季節。花粉症をお持ちの方々にとっては憂鬱な季節だと思います。ただ花粉症についての正確な知識をお持ちの方は少ないのではと感じています。孫子の名言に「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」というのがありますが、快適な生活の敵である花粉症について漠然と限られた知識に基づき対応するよりも、正確な知識に基づいた対策を取られる方が効果的であることは明らかでしょう。

ここでは、まず花粉症についての基礎知識をご紹介します。

 

花粉症とは?

花粉症の定義とルーツ

 

花粉症の正式名称は、「季節性アレルギー性鼻炎」と「季節性アレルギー性粘膜炎」です。季節性であること、鼻炎と粘膜炎を含むことを特徴とするアレルギー疾患です。

因みに、平成26年に制定された「アレルギー疾患対策基本法」により、花粉症はアレルギー疾患であると法律上も定義されました。(#1)

かつて花粉症は、「枯草熱(こそうねつ)(hey fever)」と呼ばれていました。イギリスの学者であるBostockが、イギリス農民たちが刈り取った牧草を乾燥用倉庫に入れる際に見られた症状(くしゃみ、鼻水、鼻づまりの他、鼻から喉にかけての灼けつくような痛みなど)を、初めて医学的に発表した際にその特徴的な熱っぽい症状から「枯草熱」と名付けたためです。

その背景には、19世紀における大英帝国(7つの海を制覇しようと植民地を増やしていた)の頃の海軍の活躍があります。当時、立派な軍艦を多数建造するために主力材料である「オーク材」が大量に必要であったため、広大な範囲の森林伐採が行われました。その跡地に、イネ科植物「カモガヤ」である牧草が生い茂り、多量のアレルゲンを産出したことにより、花粉症を多く発生させてしまいました。後に、原因が花粉によるものだと判明し「花粉症」と呼ばれることとなりました。

 

代表的な症状

 

代表的な症状としては、くしゃみ、鼻水、鼻詰まりがあります。

▪️ くしゃみ:連続して出ることが多く、鼻粘膜についたアレルゲンの除去を目的として、アレルゲンとの接触が多いときに顕著になります。

▪️ 鼻水  :水のように粘性が低い鼻水が、ダラダラと出るのが特徴です。

▪️ 鼻詰まり:風邪の症状とあまり変わりませんが、鼻粘膜の腫れにより気道が狭くなることで生じます。風邪の時より、長引く傾向があります。

上記以外にも、目や皮膚のかゆみ、頭痛、熱っぽさなどが挙げられます。

 

年々増加する花粉症患者

今日までの推移

現代の国民病と言われ、睡眠の質にも影響する花粉症ですが、日本では1960 年代から、その患者数が急増しています。花粉症を有する人数は正確にはわかっていませんが、およそ4人に1人が該当者ではと疑われています。

調査事例として2つの事例をご紹介します。

1つ目の事例としては、花粉症患者が比較的多い東京都が平成28(2016)年に実施した都内3地区での花粉症患者の実態調査で、スギ花粉症推定有病率は約49%と高く、調査を始めた昭和58(1983)年の約10%の5倍になったと報告されています (#1)。

2つ目の事例としては、2008年に行われた鼻アレルギー全国免疫調査(対象者:耳鼻咽喉科医とその家族)で、花粉症を有する人が約30%との報告があります(#2)。

これら2つの事例は、比較的高い花粉症有病率になり得るサンプル対象のため、高い数値を示していると思われますが、何れにせよ、過去に比べ急激に患者数が増加していることは確かなようです。

年代や性別での特徴

1998年に行われたアレルギー性鼻炎の全国調査(対象者:耳鼻咽喉科医とその家族)によると、花粉症の年齢別有症率は、10代で急増(約20%)し、10代から50代は約20~30%で推移し、60代で低下(約10%強)するという結果になりました。

また、近年10歳未満の小児スギ花粉症は増加していると考えられています。

 

地域での特徴

花粉症の約7割を占めるスギ花粉症の日本の各地方での有症率比較では、太平洋側や中部地方は日本海側や瀬戸内地方に比べ高く、また本州(中緯度)は沖縄(低緯度)や北海道(高緯度)に比べ高くなっています(#3)。

また、都道府県別では、北海道と沖縄を除いた全国の聞き取り調査によると、有症者数は “山梨県”で突出して一番多く、続いて群馬県、静岡県、埼玉県、東京都の順となりました (#4)。

発症率は、花粉飛散量優位な相関が見られ、植生や戦後の植林が深く関係しています。

 

※ウェザーニュースより転載(※1)

また住環境については、郊外・住宅地・都会の順に高い数値を示していますが(#3)、住環境別の森林占有率が関係していると思われます。

 

花粉症を引き起こす様々な原因

 

花粉症を引き起こす原因は様々あり複合的に影響していると考えられています。

その一つとして、戦後に大量植林されたスギやヒノキによる花粉離散量の増加があります。戦中戦後の森林伐採や高度経済成長期の木材需要の増大を受け、日本の気候や使いやすい木材に適したスギやヒノキが全国的に植林され、人工林が増えていきました。現在、日本の国土の7割が森林ですが、そのうち人工林は約4割を占め、スギ(44%)とヒノキ(25%)で人工林の7割を占めています。

戦後に植えた木々は成長後花粉を離散するため、スギ・ヒノキ林の面積が大きくなるにつれ、花粉離散をし始める林齢分遅れて、花粉量は増加していきました。

※林野庁HPより転載

 

また、他の原因としては、遺伝や、排ガスなどの大気汚染、食生活の欧米化、感染症の減少、住環境の変化(密閉性向上)、ストレスの増加などが知られています。

 

自分の地域の花粉を知ろう

対象になる花粉とは?

花粉症の約7割を占めると言われているスギ花粉症。スギ花粉症のアレルゲンであるスギ花粉について見ていきましょう。

 

スギ花粉

スギ花粉は、関東エリアでは2~4月をピークに、1〜5月の長期間にわたって離散します。

スギは、風を利用して受粉させる植物である風媒花(ふうばいか)です。花粉症を引き起こす花粉の多くは風媒花に該当しますが、風媒花の花粉は、風によって遠くまで運ばれます。

また、スギは木本(もくほん)に該当します。木本とは、一般的な“木”を指し、茎が木化して肥大成長しない植物である草本と違って、茎が木化して肥大成長する植物を指します(#5)。木本が厄介なのは、長期間存続可能で、草本の風媒花に比べ、単位面積あたりの花粉数が多くなることです。

花粉症の元凶となるスギは、日本の森林に占める割合が多く、大量の花粉を風によって広範囲に拡散します。

スギ花粉以外の花粉

スギ花粉以外の花粉では、スギと同じく木本の風媒花であるヒノキやシラカバ、草本の風媒花であるイネやブタクサなどがあります。

詳しくはこちら

 

今年の傾向は?

離散開始時期

西側では既にスギ花粉が飛び始めています。残念ながら、花粉シーズンは既に到来しています。

今年の花粉離散開始は、例年に比べ1週間程早いようです。まだ対策ができていない方は、対策を急いでください。

※tenki.jpより転載

 

離散量

 

今年の花粉離散量は、例年に比べ、全国的に“例年並み”か“少ない”と予測されています。去年2019年の花粉量は非常に多く、花粉量が多い年の翌年は少なくなる傾向があるため、今年の花粉量は少ないのではと予想されています。

この予想が正しければ、今年は少し楽に過ごせそうです。

 

日々の花粉情報を確認するオススメツール

 

花粉症でつらい方にとって、今年の花粉情報と同じく、今日や今週の花粉情報も非常に重要な情報であると思います。

そこで、今日や今週の花粉情報を検索でき、そのデータの信頼性が高いサイトをご紹介します。是非日々の対策にご活用下さい。

はなこさん

「はなこさん」の愛称で親しまれている、環境省が提供している環境省花粉観測システムです。全国を対象にしており、1時間ごとにデータが更新されます。過去のデータを取得できるので、分析にもオススメです。

http://kafun.taiki.go.jp/

 

花粉Ch.

情報量No.1を誇る気象サイト「ウェザーニュース」が提供している、花粉情報サイトです。ウェザーニュースといえば、「天気は眠らない」のフレーズが印象的です。

マイタウンを設定することで自分の地区の花粉情報を確認できます。スギ・ヒノキを対象にした花粉予測量をレベルに応じた顔マークで分かりやすく表現しており、1時間毎・3時間毎・週刊予報と詳しく見ることができます。

https://weathernews.jp/s/pollen/

花粉飛散情報2020

日本気象協会が運営し、天気予報を提供している「tenki.jp」での、今年の花粉情報です。各地域の今日や週間で花粉飛散情報を知ることができます。花粉量を木のイラストで表現していて可愛いらしいです。

https://tenki.jp/pollen/

 

さいごに

花粉症の基礎を学ぶことが出来たかと思います。花粉症のメカニズムや対策など、他の記事にて紹介しているので併せて読んでみてください。

 

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<参考>

#1: 東京都健康安全研究センター、花粉症一口メモ平成30年版

http://www.tokyo-eiken.go.jp/files/kj_kankyo/kafun/hitokuti/85cd212822e3137df3bfb91066c747bf.pdf

#2: 鼻アレルギーの全国疫学調査2008(1998年との比較)-耳鼻咽喉科医とその家族を対象として-, 馬場・中江,Progress in Medicine 28(8):145-156.2008

#3:アレルギー性鼻炎の全国免疫調査―全国耳鼻咽喉科医および家族を対象にして―,中村他, 日 耳 鼻105: 215-224, 2002

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibiinkoka1947/105/3/105_3_215/_pdf

#4: 2人に1人が花粉症!? 最も発症しにくい県とは

https://weathernews.jp/s/topics/201903/180165/

#5: 草本と木本、BotanyWEB、筑波大学生物環境学群生物学類

https://www.biol.tsukuba.ac.jp/~algae/BotanyWEB/herbtree.html

<引用>

※1: 2人に1人が花粉症!? 最も発症しにくい県とは

https://weathernews.jp/s/topics/201903/180165/

 

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