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理想の睡眠時間はどのくらい?人によって変わるもの

西多 昌規

早稲田大学スポーツ科学学術院・准教授

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東京医科歯科大学助教、自治医科大学講師などを経て、2017年より早稲田大学スポーツ科学学術院・准教授。ハーバード大学医学部、スタンフォード大学医学部にて留学研究歴がある。専門は睡眠医科学、身体運動とメンタルヘルス、アスリートのメンタルケアなど。

「ちゃんと寝ているのに疲れがとれない」
「いまいち寝た気がしない」
といった睡眠に関する不満は誰にでもあること。

確かに、睡眠時間をしっかりと確保しているのに寝た気がしないと不満も溜まりますよね。

しかし、その不満は理想的な睡眠時間が確保できていないことが原因かもしれません。

6時間寝れば十分と思っていても、実はあなたの理想的な睡眠時間は7時間かもしれないのです。

そうなると、疲れがとれないのも納得ですね。

今回は、理想の睡眠時間がどのくらいなのかということに注目して、解説していきます。

この記事を読めば、理想の睡眠時間が分かり、睡眠の満足感も得られるようになるでしょう。

1.理想の睡眠時間はどうやって決めたらいい?

理想の睡眠時間とは言うけれど、実際にどのくらいが理想的なのかの判断は難しいですよね。

一般的には7~8時間くらいの睡眠時間が理想的とされていますが、必ずしも全員に当てはまるとは限りません。

仮に時間があり余っていたとして、好きなだけ寝てもいいとされても「眠れない」「寝てるのに疲れがとれない」という睡眠に関する問題は沢山出てきます。

では、実際にはどのように理想の睡眠時間を見極めるのがいいのでしょうか。

1-1.人によって理想の睡眠時間は違う!

理想の睡眠時間は人によって違います。6時間睡眠が理想的だという人もいれば、8時間睡眠が理想的だという人もいるのです。

一般的には7~8時間程度の睡眠が理想的だとされていますね。しかし、世界的にも睡眠時間の短い日本人だと、仕事や家事などで現実的に確保するのは難しいという方も多いです。

実際に社会生活基本調査では過去20年間、日本人の睡眠時間は減少を続けています。※1

となると、ますます理想の睡眠時間の判断が難しいですが、日本人一般住民を対象としたコホート研究では7時間睡眠が理想的だと結論付けられました。※2

7時間睡眠は4時間睡眠や10時間睡眠よりも、死亡リスクが低いことが分かったのです。

特に長時間眠る人との死亡率の差は顕著でした。

一般的にも7~8時間睡眠が理想的とされることが多いので、7時間睡眠をひとつの目安にしてみると良さそうですね。

1-2.日中に十分な覚醒レベルを維持できるだけの睡眠時間が理想

理想の睡眠時間の目安になるのが、日中に十分な覚醒レベルを維持できるかどうかです。

日中に眠くなってしまい、仕事や勉強が手につかないような状態であれば、理想の睡眠時間が確保できていないということになります。

厳密に言えば、睡眠の質も関わってくるのですが、今回は時間というテーマにフォーカスしていきますね。

睡眠の質に関しては、別の記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
(内部リンク)

日中に眠くならず、十分な覚醒レベルが維持できていれば、理想の睡眠時間を確保できていると判断していいでしょう。

実際に、日中にどのくらい眠気が襲ってくるのか見つめ直してみてくださいね。

2.理想の睡眠時間が分かってもすぐには改善できない

理想の睡眠時間がおおよそ分かっても、すぐには改善できないというのが睡眠習慣の厄介なところです。

今日理想の睡眠時間を確保できたからといって、明日には十分な覚醒レベルが維持できるというわけではありません。

理想の睡眠時間に届いていないと、気付かないうちに眠りの借金というものが溜まるのです。

「睡眠負債」なんて言葉を使いますが、この睡眠負債はすぐに返済することができないとされています。

では、理想の睡眠時間はどのくらい続ければ、日常生活に変化が現れるのでしょうか。

2-1.1週間程度かけて睡眠時間を増やしていくなどの調整が必要

睡眠負債は返済するのに時間がかかります。

通常1週間は、返済し続けないと元に戻らないとも考えられているのです。さらに言えば、今まで6時間睡眠だった人が、8時間寝ようと思っても眠れないということもありえます。

習慣化されてしまっていれば、簡単には変えられないというわけですね。

そういった場合には、毎日少しずつ睡眠時間を増やしていくなどして、調整をすることが大切になります。

とにかく、時間をかけてコツコツと返済していくのが理想的だということです。

勝負の前日だけ理想の睡眠時間を確保して終わり。というのではなく毎日少しずつ返済、調整していくことを心がけましょう。

2-2.理想の睡眠時間を確保できない原因を1つ1つ改善する

理想の睡眠時間を確保するためには、今までなぜ確保できていなかったのかを知る必要があります。

仕事が原因なのか、ゲームをしてしまっているのか、それとも友達と連絡をとりあっているのかなど生活を見直してみましょう。

振り返ることで何が原因なのかを知ることができます。

仕事が原因なのであれば、予め早めに仕事を片付ける。ゲームが原因なのであれば、やる時間を決めておくなど、原因を1つ1つ改善してみることから始めましょう。

ただ単に、理想の睡眠時間を確保しようと決めるだけでは、なかなか時間が確保できませんよ!

3.理想の睡眠時間を確保するためにすべきこと

理想の睡眠時間を確保するためにすべきことをもう少し詳しく見てみましょう。

すべきことを決めてれば、あとはそのルールを守るだけ。

最初から全部やるのは難しいかもしれないので、できそうなものから始めると続きやすいのでおすすめです。

3-1.睡眠日誌をつけることがおすすめ

理想の睡眠時間を確保するためには睡眠日誌をつけることが効果的です。

今の睡眠時間を知ることができ、最適な理想の睡眠時間を見つけ出やすくなります。

やり方は簡単で「寝床に入った時間」「入眠の時間」「目が覚めた時間」「布団から出た時間」を毎日記録するだけ。

その日の日中に睡魔があったかどうかも記録しておくと、さらに良いです。

「睡眠日誌をつけることが面倒」という人は、スマホのアプリ、ないしは腕時計型の行動計がおすすめです。性能も進歩して、自動的に睡眠覚醒リズムを記録できるようになってきました。
(睡眠アプリの記事へ内部リンク)

実際の睡眠の状態を客観的に把握することができ、主観ではなくしっかりとデータとして分析できます。

記録したデータを元に、理想の睡眠時間を確保していきましょう。

3-2.入眠時間などを一定に決める

入眠時間や起床時間を一定に決めることも大切です。

最初の方は慣れておらず、苦労するかもしれませんが、続ければ自然にできるようになってきます。

特に入眠時間は決めやすく、自分の意思で決めることが可能。

根気よく時間を守って、理想の睡眠時間を手に入れましょう。

3-3.入眠前の時間に気を遣うようにする

入眠前の時間に気を遣うことで、入眠しやすくなります。

今までゲームやPCなんかを入眠前にしていた方は、なるべく見ないようにするなどして対策をしてください。

目が覚めるようなことはせずに、ゆっくりとリラックスできる時間を確保することで、睡眠の質も上がります。

入眠もしやすくなるので、理想の睡眠時間の確保に貢献してくれるはずです。

入眠前の時間におすすめの過ごし方は、こちらの記事に詳しく書いてありますよ!

 

まとめ:理想の睡眠時間を意識的しよう

理想の睡眠時間は、まず把握することが大切。

自分に合った睡眠時間はどのくらいなのかを考えて、睡眠時間を確保していくようにしてくださいね。

長く寝れば良いという単純な話しではないので、注意しましょう。

最後に今回の記事をまとめておきますね。

  • 理想の睡眠時間は人によって違う
  • 多くの人の理想の睡眠時間は7~8時間程度
  • 睡眠習慣はすぐには変えることができない
  • 理想の睡眠時間を確保できない原因を見つけることが大切
  • 入眠前の時間にも気を遣うようにする

理想の睡眠時間を確保できたとしても、続けなければ意味がありません。

習慣になってしまっているのであれば、急に変化させるのも辛いものです。

少しずつ、時間をかけて改善していきましょう。

 

【参考文献】
※1 厚生労働省 健やかな眠りの意義
※2 睡眠時間と死亡リスクとの関連について

 

ライター = 大古琢登

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