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意外と知らない睡眠のメリット7選!疲れがとれるだけじゃない

丸山 崇

医学博士/産業医科大学 医学部第1生理学 准教授

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医学博士/産業医科大学医学部第1生理学准教授/社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント/産業医ディプロマ

睡眠は毎日とるものですが、睡眠のことについてしっかりと理解している方は少ないのではないでしょうか?

「睡眠ってただ寝ればいいだけじゃん」そう考えている方もいるでしょう。

しかし、毎日とる睡眠だからこそ、睡眠にはどういう効果があるのか、なぜ睡眠をとるのかということを知っておくべきなのです。

そして、積極的に良い睡眠をとり、自分の体を健康に保ち、日々の生活を充実させましょう!

今回は、そんな睡眠のメリットについて解説していきます。この記事を読めば、睡眠についてより理解を深めることができますよ!

1.睡眠と人の身体の深い関り

多くの方が当然分かっているはずですが、睡眠と身体には深い関わりがあります。十分な睡眠が取れない状況になると疲労が蓄積し、眠気が続き、身体の動きも鈍くなります。

睡眠をとると身体が軽くなり、頭もスッキリしますよね。それは、睡眠時に身体と脳を両方休めているからです。

また、寝る子は育つという言葉は、睡眠中に成長ホルモンが分泌されることからきています。睡眠は休息だけでなく、成長にも必要なことだということがこのことから分かるでしょう。

特に脳の発達には大きな影響を与えるのです。レム睡眠中には大脳は活性化していて、脳を育てたり、創ったりする役割があるとされています。

睡眠には脳を創る役割があるので、小さい子には特に重要ですね。

大人になってからの睡眠ももちろん重要です。寝ている間に、その日に新しく仕入れた情報の整理や定着させる役割があります。また、睡眠中には脳の老廃物の除去もしてくれます。

上記のように睡眠と人の脳には深い関りがあるのです。

2.睡眠のメリット7選

睡眠が身体や脳に与えてくれる利点は多くあります。多くある利点の中から今回は特に大きな役割としてある、メリットを7つご紹介していきますね。

メリットを知ることで睡眠の質を良くしようという、モチベーションも上がってくるようになるでしょう。人生の約1/3を占めている睡眠のメリットについて、ぜひ知ってみてくださいね。

2-1.身体の疲労回復

多くの方が実感できるメリットが身体の疲労回復です。人の身体は起きていれば、意識しなくとも常に働いている状態になっています。

特に日中の交感神経が優位な状態だと、より活動的になります。

交感神経が優位になることで、血糖値や脈が上がり、筋肉の働きなどが活発になります。脳の集中力も上がるので、仕事が捗るというわけです。

逆に睡眠中は副交感神経が優位になります。そうなると、血圧や脈は落ち着いてくるのです。もちろん睡眠中が全部そうなるというわけではありません。

起床時間が近づくにつれて、血圧や脈は上昇していくことが確認されています。

こうして起きているときの、疲労を寝ている間に回復し、明日の準備状態に入るのが睡眠のメリットです。

2-2.成長ホルモンの分泌を促す

寝る子は育つという言葉があるように、睡眠中には成長ホルモンが多く分泌されています。成長ホルモンの役割は、身体の成長や細胞の修復、代謝調節などを促すことです。

睡眠中は均等に分泌されるわけでなく、寝始めの第一周期に一番分泌されます。そのため、寝始めの睡眠の深さには特に気をつけなければなりません。

成長ホルモンと聞くと身長が伸びたり、骨格の形成だったりということに目がいきがちですよね。

しかし、大人になっても重要な役割を果たしていて、細胞の修復などに役立ちます。つまり、アンチエイジングホルモン(抗加齢ホルモン)でもあるのです。

2-3.記憶の定着や整理

寝ている間に記憶を定着させるということは知られていますが、これも大きなメリットですよね。睡眠中にはその日に起きたことや覚えたことの記憶を整理をしてくれます。

また、それと同時に定着もしてくれるので、勉強をしていく上でも睡眠は欠かせません。

よく言われるのは夢を見るのは、その日に起きたことや考えていたことを整理しているためだということです。

短期記憶より長期記憶に重要な役割を果たすので、長く覚えておきたいことはしっかりと寝て定着をさせましょう。

2-4.免疫力の向上

睡眠をとることによって、免疫力の向上や維持が見込めます。

十分な睡眠が取れていないと、ホルモンバランスが崩れ、免疫機能の働きが悪くなってしまうのは多くの方が知っていますね。寝ないと病気にかかりやすくなるのはこのためです。

実際に風邪やインフルエンザが流行る時期なんかは、寝不足が原因でかかる方も多いと言われています。 ※1

睡眠時間が短くなると、ウィルスに感染しやすくなることも、実験で証明されています。また、予防のワクチンや薬を飲んでも、しっかりとした睡眠がとれていなければ効果が薄くなることもあるようです。

風邪をひいたら寝るというのは、こういった背景があると考えれば納得ですね。

2-5.食欲のコントロールができるようになる

睡眠不足によって食欲増進ホルモンのグレリンが増加し、食欲を抑制するホルモンのレプチンが低下します。当然、食欲は増進されていくわけです。

普段と運動量や活動量が変わらないのに食べる量が増えれば、体重が増え、肥満につながりますよね。

食欲が出てどんどん太っていき肥満になると、糖尿病などの生活習慣病にもなりやすくなり、負の連鎖にハマってしまいます。

食欲をコントロールし、肥満や生活習慣病を防ぐためにも、まずは睡眠時間を確保しましょう。

2-6.太りにくい身体づくりができる

「睡眠不足になると太る」というのが迷信だと考えている方もいますが、実はあながち間違いではありません。

グレリンの増加やレプチンの低下によって食欲がコントロールできなくなるのも関係しますが、日常での活動が低下し、代謝が落ちることも関係しています。

気分も上がらないから動かない、そして代謝も低下気味になるとなれば太るのは必然的。十分な睡眠時間をとることで、代謝を良くし、栄養の吸収や回復時間を効率的にすることができます。

筋肉もつきやすくなり、痩せやすい身体へと近づいていくことができますよ!

2-7.精神面が安定する

睡眠は、脳や身体に直接関係することがメリットとして知られていますが、精神面でもメリットがあります。

睡眠を十分にとることによって、不安感やストレスが減ることも知られていますね。不安感やストレスが多い状態は、ミスを誘発し、さらにストレスが増すことがあり注意が必要です。

ついついネガティブに物事を考えて不安になってしまいがちなときは、睡眠時間が足りていないのかもしれません。

精神面を安定させるためにも、睡眠は大切というわけですね。不安になると眠れなくなるのか、眠れないから不安が増すのかという、鶏と卵のような議論があります。

これは、どちらが先ということはありませんが、睡眠が十分でない状態が状況を悪くすることは確か。

不安に感じる原因を突き止めて解消することも大切ですが、睡眠をきちんととって一度、頭と身体、気持ちをリセットすることも大切です。

頭と心がスッキリし、思わぬ発想がひらめくかもしれませんよ!

3.睡眠のメリットを最大限に引き出すには?

睡眠のメリットはまだまだあります。それぞれのメリットを理解して、まずは睡眠時間を確保することが重要なので、すぐにでも改善していきましょう。

睡眠時間が確保できたら「どうせ同じ時間寝るのであればメリットを最大限に引き出したい!」と思う方もいますよね。

そんな方のために何をすればメリットを最大限に引き出せるのか解説していきます。

3-1.睡眠の質を向上させる

まず、メリットを最大限に引き出すには、睡眠の質を上げる必要があります。睡眠の質を上げるには多くの方法があるのは他の記事でも紹介している通り。

カフェインを睡眠前に摂取しないようにするやスマホをみないようになるなど様々です。詳しく知りたい方は、こちらの記事も併せて読んでくださいね。

 

睡眠の質が上がれば、その分恩恵を受けることができます。

寝てもなかなか疲れがとれないと感じたことのある方は、睡眠の質を見直してみましょう。

3-2.適切な睡眠時間を知る

睡眠時間はたっぷりと、とっているけどイマイチ調子が上がらないなんて経験はないでしょうか。

睡眠時間はしっかりとあるのになぜそんなことになるのか。その理由は睡眠のとり過ぎかもしれません。

睡眠は長くとれば良いというわけではないのです。長過ぎると逆に良くないという研究結果も出ています。

死亡率が分かりやすいですね。1982年から88年にかけて米国で110万人以上を対象にして行われたコホート調査があります。※2

睡眠時間が7時間台の人に対して、3時間台の場合の死亡リスクは約1.2倍となりました。そして、9時間台でも同様に約1.2倍、10時間を超えると約1.35倍になりなったそうです。

この結果からも分かるように寝すぎも良くないのです。

まとめ:睡眠のメリットを活かして生活しよう

私たちの日常生活に欠かせない睡眠には、メリットが沢山あることが分かりました。

毎日寝るので知っていて損はないですね。

最後に今回の記事のおさらいをしておきましょう。

  • 睡眠のメリットは多く、日常には欠かせない
  • 睡眠のメリットを最大限に引き出すには「睡眠の質の向上」と「適切な睡眠時間把握」が必要
  • 睡眠時間は長ければ良いということでない

睡眠のメリットを知れば、上手く睡眠を活用することもできます。

上手く睡眠をとって、より快適な生活を送ってくださいね。

 

【参考文献】

※1 睡眠が○時間未満の人は3倍風邪をひく!?
※2 第103回 長く眠る人の死亡リスクが高いという謎

 

ライター = 大古琢登

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