20代 / 男
週2で夜勤をしているせいか、日中10時間以上寝ても眠気が来るのですが寝過ぎによる症状なのか、夜勤で生活リズムが崩れているせいなのでしょうか?
医学博士/産業医科大学 医学部第1生理学 准教授
Good sleep
考えられることとして、
①夜勤によるリズム障害が起こっている。
②睡眠時間は確保していても、眠りが浅く、慢性的な睡眠不足になっている(熟眠障害)
③過眠症(必要な睡眠時間が増えている)
の可能性があります。
まずは、睡眠日誌を記録して、睡眠時間や眠くなる時間帯や覚醒する時間帯を記録して下さい。記録を見直すことで、リズムがズレているだけなのか、睡眠が足りず眠気を感じる状態が慢性的に続いているのかが分かります。
リズム障害がある場合は、夜勤前後の生活に注意して、夜勤明けの昼間は仮眠程度にして、昼間は頑張って体を動かし、夜しっかり寝るというリズムを出来る限り維持するようにすると良いでしょう。夜勤中の休憩時間は、スマホなどの画面は見ないようにして、短時間でも目を閉じて仮眠を取るようにしましょう。また、昼間どうしても眠い時は、コーヒーなどのカフェインを摂ることも一時的には効果的です。
熟眠障害の場合は、睡眠時無呼吸症候群などが原因になっている場合などがあります。また、過眠症の場合には、かなり長い時間寝ても睡眠が満たされず眠い状態が続いたり、急に眠りに落ちる症状が出る場合もありますので、睡眠クリニックなど専門の医療機関に相談しましょう。
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Good sleep
30代 / 女
子供が寝てる時に大声で喋るのですが、心配です。
成長に何か問題はあるでしょうか?
医学博士/米国スタンフォード大学医学部精神科教授
Good sleep
寝言は、夜尿、夢遊病、夜驚症、悪夢等とあわせて、専門用語では「パラソムニア」、または「睡眠時随伴症」と呼ばれます。
子供のパラソムニアは、大人になると自然に消失するものが多く、いわゆる「良性」であることが多いです。
睡眠時随伴症の詳しい発症機序はわかっていませんが、脳の発育段階にある小児に多いことから、脳の発育時に脳部位間で不均衡が生じて、睡眠時の随伴症状を睡眠段階に応じてうまくコントロールできないことにより発症するのではないかと理解されています。
例えば、レム睡眠中に夢を見ている場合、通常、体は麻痺しているため声もでませんが、発育段階で脳の部位に不均衡があると筋緊張の調節が上手くいかず、起きているときのようにしゃべったりすると考えられています。
パラソムニアはストレスに応じて増減することもありますので、頻回に現れる場合には、何かつらいことがないか聞いてあげてください。パラソムニアにより睡眠が妨げられるようなことがなければ放置しても大丈夫だと思われます。むしろ、特に脳の発育段階にある子供では、寝不足にならないように充分な睡眠の確保を心がけてください。
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Good sleep
20代 / 男
ノンレム睡眠とレム睡眠って何ですか?
素朴な質問で恐れ入りますが、よろしくお願いします。
医学博士/米国スタンフォード大学医学部精神科教授
Good sleep
新規タブで開く">レム睡眠とは、急速眼球運動(REM: rapid eye movement)を伴う睡眠のことで、レム睡眠中にはストーリーのある鮮明な夢を見ることも多くあります。
レム睡眠時には体が麻痺していますが、脳は起きているのと同じように活発に活動しています。レム睡眠ではない、いわゆる「深い睡眠」はノンレム睡眠と呼ばれますが、ノンレム睡眠中は脳も体も休息しています。
入眠後にまずは深いノンレム睡眠が出現し、その後約90分経つと短いレム睡眠が出現します。これが睡眠の1周期で、明け方まで4-5回の周期が訪れます。
起床前には、深いノンレム睡眠は出現せず、ノンレム睡眠の時間は短くなり、レム睡眠が長くなります。">レム睡眠とは、急速眼球運動(REM: rapid eye movement)を伴う睡眠のことで、レム睡眠中にはストーリーのある鮮明な夢を見ることも多くあります。
レム睡眠時には体が麻痺していますが、脳は起きているのと同じように活発に活動しています。レム睡眠ではない、いわゆる「深い睡眠」はノンレム睡眠と呼ばれますが、ノンレム睡眠中は脳も体も休息しています。
入眠後にまずは深いノンレム睡眠が出現し、その後約90分経つと短いレム睡眠が出現します。これが睡眠の1周期で、明け方まで4-5回の周期が訪れます。
起床前には、深いノンレム睡眠は出現せず、ノンレム睡眠の時間は短くなり、レム睡眠が長くなります。">新規タブで開く">レム睡眠とは、急速眼球運動(REM: rapid eye movement)を伴う睡眠のことで、レム睡眠中にはストーリーのある鮮明な夢を見ることも多くあります。
レム睡眠時には体が麻痺していますが、脳は起きているのと同じように活発に活動しています。レム睡眠ではない、いわゆる「深い睡眠」はノンレム睡眠と呼ばれますが、ノンレム睡眠中は脳も体も休息しています。
入眠後にまずは深いノンレム睡眠が出現し、その後約90分経つと短いレム睡眠が出現します。これが睡眠の1周期で、明け方まで4-5回の周期が訪れます。
起床前には、深いノンレム睡眠は出現せず、ノンレム睡眠の時間は短くなり、レム睡眠が長くなります。
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Good sleep
20代 / 女
目覚し時計を設定していても、いつも寝過ごしてしまうのですが、何かいい方法はありますか?
医学博士/米国スタンフォード大学医学部精神科教授
Good sleep
健康な睡眠では、明け方には深い睡眠が出現せず、脳が活性化されるレム睡眠が多く出現して、自然に起きる準備が整います。
睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害がある場合、入眠初期に持続する深い睡眠が取れませんので、起床前にも深い睡眠を取ろうと脳が働き、起きるのが困難になります。また、慢性の睡眠不足、いわゆる「睡眠負債」がある場合でも明け方に深い睡眠が出現し、起床が困難になります。また、生活リズムが夜型の傾向が強いと、起床時の体温の上昇も後ろにずれて起床しにくくなります。
いつも寝過ごしてしまうという人はまず、充分な睡眠時間を確保し、就寝・起床時刻を一定にするなど、規則正しい生活を身につけ、朝食や午前中の日光照射などでリズムのずれを整えることが重要です。それでも改善がみられない場合は、睡眠障害の可能性もありますので、睡眠専門医を受診してください。
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Good sleep
20代 / 男
なぜ夢を見るのですか?
医学博士/米国スタンフォード大学医学部精神科教授
Good sleep
ここでは神経科学的立場から説明します。
夢の役割に関しては解明されていないことも多いのですが、一つ分かっていることは、レム睡眠中にみるストーリーがある鮮明な夢では、大脳皮質の視覚や運動機能をつかさどる脳部位があたかも実体験をしているときと同様に活発に活動しているということです。
夢の中では実体験をしているときと同じように大脳皮質の運動野が活動していても実際には体が動かないのは、脳幹部(脳の根本の部分で、大脳皮質の運動野から脊髄への連絡路を含みます)で体が動かないように制御されているからです。
新生児や小児にレム睡眠が多いことから、特に脳の発育段階で夢見体験により歩行など複雑な運動機能のシミュレーションを行っているのではないか、という説もあります。
レム睡眠中には記憶の整理・定着も行われていますので、夢はそのような睡眠の機能ともなんらかの関連がある可能性もあります。
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Good sleep
60代 / 男
加齢にともなう睡眠の質低下でメラトニンを使用しています。
長期使用に問題はありますか?
医学博士/米国スタンフォード大学医学部精神科教授
Good sleep
「クスリ」は逆から読むと「リスク」で、どの薬にも副作用がないとはいえません。
メラトニンには睡眠や生体リズムへの作用以外にも、生殖機能、炎症促進作用、抗酸化作用、細胞増殖(動物実験ではがんを抑えるという報告も、がんを引き起こすという結果も出ています)といった作用もあり、それらのどれかの作用が副作用になる可能性もあります。
報告されている有害作用としては、一般的な症状(頭痛、めまい、眠気、悪夢、過敏症)、神経疾患(振戦、片頭痛)及び胃腸疾患(吐き気、嘔吐、腹痛)のように様々ですが、2018年、フランス食品環境労働衛生安全庁は、副作用が懸念される人々にはメラトニンを含むサプリメントを摂取しないよう忠告を出しています。
副作用が懸念される人として、「炎症性疾患又は自己免疫疾患の患者、妊婦、授乳中の女性、子供、ティーンエイジャー、注意を継続させる必要のある活動を実施し眠気が安全性の問題となる可能性がある者については、メラトニンを含むサプリメントを摂取しないことを推奨するとなっています。
男性、高齢者の場合、長期服用者も多く、特に重篤な副作用は報告されていませんが、「リスク」もあるということも覚えておいてください。
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Good sleep