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第4条 パワーナップ(15分~30分程度の仮眠)をとる

 

日中眠い時、皆さんはどう対処していますか? うとうとしながら仕事や勉強をしても、捗らずミスが多くなり、効率的とは言えません。

ここでは、その“眠い”という欲求(睡眠圧)に従った、パワーナップ (仮眠)を取ることの効果について紹介したいと思います。

 

進化の過程の痕跡?

 

 

ヒトとDNA配列が最も近いサル(※1)の睡眠は、昼寝が多いようです。ヒトは一般的に社会生活において14〜16時間連続して起きていますが、ヒトにはアフタヌーンディップ(午後2時頃に最も眠気が強い現象)が報告されており、これは霊長類の進化の過程での痕跡かもしれません。午後眠くなるのは遺伝子的に自然な現象とも考えられます。

 

パワーナップ(仮眠)の方法

 

パワーナップ (仮眠)をするなら、30分未満をお勧めします。長時間の昼寝はお勧めしません。

その理由をご紹介します。

2000年、国立精神・神経医療研究センターの「昼寝の習慣と認知症発生リスク」についての解析結果から以下2つの内容が示されました。

*「30分未満の昼寝」をする人は、「昼寝習慣がない」人に比べ、認知症発症率が約1/7に減少

*「1時間以上の昼寝」をする人は、「昼寝習慣がない」人に比べ、認知症発症率が2倍に増加

発症率順では、「1時間以上昼寝」>「昼寝習慣がない」>>「30分未満の昼寝」となりました。つまり、日中眠い時には、寝ないより寝た方が良いものの、寝過ぎたら寝ないより悪くなるという結果です。寝過ぎると、睡眠慣性(起きてしばらくの間ぼーっと頭が働かない状態)が起こったり、夜睡眠圧が上がらずなかなか寝付けなかったり、そのことで睡眠リズムを崩して睡眠負債が生じたりする可能性があるため、眠くても寝過ぎないように注意することが大切です。

 

何故パワーナップ(仮眠)が良いのか?

 

 

上記の事例は、夜の睡眠時間がありつつも日中睡気が増した際にパワーナップを取ることの有効性を紹介しましたが、以下では徹夜状態の時にパワーナップを取ることの有効性について紹介します。

長時間起きている影響及び仮眠を取る効果についての実験結果によると、長時間連続で起きていると反応が鈍り、連続して起きている12時間おきに2時間の仮眠を取ると(1日4時間)ミスが減少しました。短時間であっても睡眠中は、休息と体の修復が行われており、最近では睡眠中に脳の老廃物が除去できることも分かって来ています。昼間に仮眠により睡眠負債をリセットできる訳ではないものの、少しの仮眠でミスが大幅に減少することが示されており、産業事故の減少にもつながると思われます。

遅くまで仕事をする場合には、徹夜をするのではなく、作業時間が少し削られたとしても合間にパワーナップを取って作業を行うことをお勧めします。ミスが減少することに加え、より集中しやすく効率的に仕事を進めることができます。ただし、この場合は睡眠時間が十分でないため、継続すると睡眠負債が溜まってしまいます。あくまでも対症療法であることを認識した上で取り入れて下さい。

 

※1: 独立行政法人理化学研究所、報道発表資料(2002)、ヒトとチンパンジーを比較する世界初のゲノム地図が完成

(writer: sleepedia編集部)

 

nishio sensei

監修 西野 精治

医学博士/米国スタンフォード大学医学部精神科教授/スタンフォード睡眠・生体リズム研究所所長/日本睡眠学会睡眠医療認定医/一般社団法人良質睡眠研究機構(iSSS)代表理事/Jornal Sleep編集委員/著書:「スタンフォード式最高の睡眠」など多数

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