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第9条 入眠時間を固定する[入眠定時]

西野 精治

医学博士/米国スタンフォード大学医学部精神科教授

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医学博士/米国スタンフォード大学医学部精神科教授/スタンフォード睡眠・生体リズム研究所所長/日本睡眠学会睡眠医療認定医/株式会社ブレインスリープ 最高経営責任者(CEO), 最高医療責任者 (CMO)/Jornal Sleep編集委員/著書:スタンフォード式最高の睡眠 など多数

飲み会や残業、友達と遊びやデート、勉強や習い事にジムなど、夕方以降は様々な予定が入りやすく、日によって寝る時間がまちまちという人も多いのではないでしょうか。質の高い睡眠をとる上で、個々の予定はありつつも、出来るだけ入眠時間を固定すると良いと言われています。今回はその理由についてご紹介します。

【約4分でわかる本記事の要約動画】
※音声あり

 

「入眠定時」の導入の勧め

 

 

良い睡眠習慣によって、(第一ノンレム睡眠時の)深い睡眠が取れ、疲れがとれ脳のゴミが排泄されます。入眠時間を固定することにより、入眠直後に深い睡眠が出現します。

しかしながら、飲み会や残業、プライベートな用事など、なかなか毎日同じ時間に入眠するのは難しいこともあるかと思います。それらを考慮して、自分の基本の寝る時間「入眠定時」を設けると良いでしょう。

また、明日が早いから早く寝ようとしても、なかなか寝られない経験がありますが、それは入眠の直前に脳が眠りを拒否する「フォビドンゾーン(進入禁止域)」に強く影響されている可能性が高いです。不思議な現象ですが、通常就寝する時間の直前から2時間前ぐらいまでが最も眠りにくいとされています。そのため、翌日が早い時は、睡眠時間が少し短くなりますが、寝る時間はいつも通りで起きる時間を早めれば、入眠しやすく且つ深い睡眠がとれ、睡眠の質が確保されます。

 

規則正しい習慣の恩恵

 

 

規則正しい習慣は、健康にも精神の安定にも大切なものです。人生の1/3を費やす睡眠にしても同様で、その質の良し悪しによって、ガンや生活習慣病などの病気、精神的な病気、認知症などの症状にかかる可能性は大きく変わり、覚醒時のパフォーマンスもかなり変わってきます。

不規則な睡眠習慣により、なかなか眠れない、寝たのに寝た気がしない、疲れが残っているなどの不調を感じやすくなります。

健康な睡眠のリズムを作ることで、交感神経活動を抑え、スムーズな体温下降を促し、「黄金の90分」と呼ばれる最も重要な最初のノンレム睡眠を素早く、より深く導くことができます。最初の深いノンレム睡眠、いわゆる「黄金の90分」では、新陳代謝に重要な成長ホルモンの分泌が促され免疫が増強して、脳の老廃物の除去などの睡眠の重要な機能が営まれます。

「黄金の90分」を持つためには、日常生活で入りそうな諸々の予定を考慮して、ご自身の寝る時間の「入眠定時」を設けると良いでしょう。“定時”のため、たまに寝る時間が定時より遅くなっても、翌日はその定時で寝れば大丈夫です。定時での睡眠の習慣付けを行うことが大切です。

 

普段より早く寝ようとする時に限って寝られない訳

 

 

例えば普段より1時間早く起きなければならない場合、起きる時間を起点にその分1時間早く寝ようとすると、先程説明したフォビドンゾーンの影響で寝にくくなりますが、寝る時間を起点に普段通りに寝ていつもより1時間早く起きれば、すっと入眠することができ、「黄金の90分」である最初のノンレム睡眠は普段通りとれるため、睡眠の質は確保しやすくなります。入眠定時を軸とした睡眠習慣を作ることをお勧めします。

どうしても早く寝たい場合には、お風呂での体温の上げ下げや照明、睡眠前行動に気を配るなどをして対処する等の方法がありますが、やはり生理現象に従うほうが合目的です。

 

※1: (a 20 minute day)

 

(writer: SleepediA編集部)

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